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新潟県佐渡市の大規模断水は空き家が原因だった!?

その他  2018年04月13日

2018年1月末~2月頭にかけて新潟県佐渡市を襲った大規模断水、一時は全世帯数の4割以上となる10,656世帯ほどが断水に見舞われ、人々の生活は混乱を極めました。

どうして大規模断水が発生したのか?

一因が空き家にあると言われているのはなぜか?

そして今後、同じような大規模断水を防ぐためにどんなことが必要かを解説していきます。

なぜ、佐渡市で大規模断水が起こったのか?

まずは今回、佐渡市で発生した大規模断水の概要を振り返ってみましょう。

大規模断水が発生したのは1月28日(日)の夕方から夜にかけてですが、それよりも前に2日間ほど断水していた地域もあり、その地域においては復旧した矢先に今回の大規模断水に見舞われた、という状況でした。

実に4日間以上の断水

佐渡市全域で大規模断水が解消される2月2日まで実に4日以上を要し、自衛隊が災害派遣要請を受けて出動するなど佐渡市全土が一時大きな混乱に陥り、佐渡市で暮らす人々の生活を一変させてしまいました。

佐渡市の全24,112世帯のうち、最も被害を受けた世帯数が多かったのは1月29日(月)午前8時前後の10656世帯、実に44%以上もの世帯で断水が発生していました。

災害派遣要請を受けた自衛隊による給水でなんとかしのぎながら、佐渡市や市外からの応援を得て復旧作業を進めていましたが、雪の影響や後述する空き家の影響などもあり、なかなか復旧のめどが立たず佐渡市民の生活に大きな混乱を招いたと言われています。

“断水”と聞くと「一時的」「数時間で復旧する」という感覚を抱いてしまいますが、今回の佐渡市の大規模断水においては、断水している世帯が推定ゼロになったと発表されたのは2月2日午後4時ですから、いかに復旧作業に時間を要したのかが分かります。

その間、佐渡市と姉妹都市になっている東京都国分寺市では、姉妹都市災害相互応援協定に基づき、1月30日に6リットル用の非常用飲料水袋3,000枚を救援物資として発送したほか、ドラッグストア大手ウェルシア薬局も2リットルの飲料水1,200本を無償提供するなど、企業や姉妹都市による支援も相次ぎ、自衛隊の給水も伴って徐々に混乱も収束していきました。

ところで、今回佐渡市で発生した大規模断水の直接的な原因は、水道管破裂による漏水が相次いだことで生じた水道水の供給不足と言われています。

今冬、大寒波が襲った佐渡市では水道管の凍結や破断などが多数の世帯で発生した訳ですが、目に見えない部分で水道管が破裂している場合など、いくら住人であっても“気づかない”場合も少なくありません。

また佐渡市職員らは、全24,112世帯のうち漏水している可能性がある世帯を一軒一軒周り、漏水箇所の特定に務めるなど復旧に向けた作業を全力で行ってきましたが、そこで確認作業や復旧作業を遅らせる大きな原因となったのが“空き家”だったのです。

佐渡市の断水の原因は空き家に一因がある?

佐渡市は新潟県内でも空き家率20.3%(全国平均13.5%、新潟市12.0%)と非常に高く、単純計算でも全24,112世帯のうち実に4,900世帯近くが空き家ということになります。

都市部への人口流入に加え、佐渡市全体で見てみても65歳以上の高齢者が人口のおよそ4割を超えているなど、人口の減少に伴う空き家の増加が顕著に表れていると言えます。

特に所有者が不明、あるいは分かっていても連絡が取れない空き家の場合は、水道管が漏水しているかどうかの確認作業も大幅に滞るうえ、何の目印もない雪の下から水道メーターを探すという重労働を強いられることとなります。

所有者がいれば水道メーターの位置を確認したりできるのですが、空き家においてはそれが困難なのです。しかも断水発生時の佐渡市は大寒波に見舞われている最中です。

真っ白な雪の下に埋もれた水道メーターをピンポイントで発見することはほぼ不可能に近く、文字通り“しらみつぶし”に水道メーターを掘り当てるしかなかったと言いますから、水がない中どれだけの重労働だったか想像もつきません。

このように、佐渡市では空き家が多いという実態が断水被害を拡大させ、復旧作業を遅らせた一因になっていることはほぼ間違いないと言えるでしょう。

また、それだけではありません。

佐渡市では“冬場だけ島外に住む”という人が増加していることも、今回の断水被害が拡大した一因になっていると言われています。

冬場だけ、本島の親族の家などで生活するというケースが増えていると言われていますが、こうした“冬場だけ島外で暮らす人たち”は、ひと冬のためにわざわざ閉栓手続きをしないケースがほとんどのようです。

つまり、そこだけ切り取ってみれば“冬場だけ島外で暮らす”かつ“閉栓手続きをしていない”のですから、その他の空き家となんら変わりがないということです。

ひいてはそれが今回の水道管凍結による破裂を招き、漏水に気づくのが遅れた一因になっているとも言われているのです。

人口減少による空き家の増加、これはなにも佐渡市だけの問題ではありません。日本全体で核家族化や少子高齢化が進んだことで空き家は大きな社会問題になっています。

断水被害を起こさないための対策

今回の佐渡市の断水では

「まさか自分が住んでいる地域や自分の家の水道管が凍結して破裂したり、漏水したりして断水を招いてしまうなんて」

「こんなに長時間にわたって断水が続くなんて」

そう思った方も少なくなかったでしょう。

ですが、佐渡市では実際にこうした大規模断水が発生し、多くの島民が4日以上という長期にわたって不安や苛立ちを募らせながら暮らしました。

その間、自衛隊による給水活動などは行われていましたが

  • お風呂もトイレも使えない
  • 料理ができない
  • 飲料水も節水しなければならない
  • 洗濯ができない

など、生活にさまざまな支障をきたすことは容易に想像できますし、学校給食、高齢者施設、その他多くのお店や企業、施設に多大な影響を及ぼしました。

「スーパーに買い物に行ったら水を使わずに済むインスタント食品などはほとんど売り切れだった」

「コインランドリーが行列でいつ洗濯できるかすら分からなかったしその場で待つこともできなかった」

そんな状況も実際にあったようです。

万が一、こんな非常時に火災が発生したらどうでしょう?消化活動ができず、糸魚川市の大火のように燃え広がってしまったかもしれません。

今回、佐渡市の大規模断水から教えられたことは「水道管は凍結すると破裂し漏水する可能性がある」「水は常に備えておく」という基本的な部分を再認識しなければならないということに加えて「空き家が周りに与える影響」についてです。

「タラレバ」になってしまいますが、もし佐渡市に空き家がなかったら、ここまで断水被害は拡大していたでしょうか?

全世帯で漏水しているかどうかの確認がスムーズに行えれば、もしかするとものの数時間で復旧したかもしれません。

これはあくまで結果論ですが、それでも空き家が断水被害を拡大させた一因であることには変わりありません。

「空き家対策特別措置法」などの施行により空き家対策は進んではいるものの、依然として所有者不明の空き家などが多数存在します。

佐渡市の大規模断水をきっかけに、私たちも自分が住んでいる地域の空き家状況について調べてみたり、空き家が周辺に与える影響について考えてみたりする機会にしてみてはいかがでしょうか。

なお、今回の大規模断水を受けて、佐渡市では漏水を避けるための防寒方法や、蛇口または水道管が凍ってしまった時の対処方法などを案内しています。

佐渡市ホームページ「漏水を避けるために、水道管などを防寒してください」

佐渡市に限らず、冬場の冷え込みが厳しい地域にお住まいの方はぜひ、一読することをおすすめします。

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