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不動産の利回りって何?相場や計算方法を解説します

その他  2019年11月29日

不動産投資をするにあたって、計画の指標となるのが利回りです。

不動産の物件情報には、構造や価格、築年数などの他にこの利回りが載っています。

利回りは収益に関することだとわかっているけど、実際に相場がどれくらいでどういう計算方法で算出されているのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

利回りの相場や計算方法を理解しておけば、不動産の購入や運用する際の判断材料として使うことができ、不動産投資のリスクを下げることにも繋がります。

不動産の利回りを正しく理解できるよう、相場や計算方法、それに注意すべきポイントについて解説していきます。

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不動産の利回り

物件の収益性を知ることができるのが利回りです。

つまり、投資した額に対して年間どれくらいのリターンが得られるかということを知るための指標になります。

不動産の利回りは主に2種類で、「表面利回り」と「実質利回り」があります。

この2種類の利回りについて、しっかりと理解することが投資を成功させるための重要な要素のひとつになります。

表面利回り(グロス利回り)

不動産の利回りでグロス利回りとも呼ばれる表面利回りは、物件情報でよく提示されています。

表面利回りは不動産の購入価格と年間収入だけで計算しており、経費については計算に入れないため、現実的な指標とは言えません。

そのため、高利回りの物件であっても惑わされないようにしましょう。

ただし、物件情報の中からそれぞれを比較するための指標としては有効です。

表面利回りの計算方法

部屋数に家賃を掛け、その12ヶ月分である1年間の家賃収入を不動産の購入金額で割ることで表面利回りを算出することができます。

表面利回り=1年間の家賃収入÷不動産購入価格×100

表面利回りの具体的な例

5,000万円で購入した家賃6万円の部屋が6部屋あるアパートの場合、表面利回りの計算方法は下記のようになります。

表面利回り=(6部屋×6万円×12ヶ月)÷5,000万円×100

8.64%=432万円÷5000万円×100

表面利回りは、8.64%となります。

実質利回り(ネット利回り)

不動産の利回りでネット利回りとも呼ばれる実質利回りは、運用の際の年間諸経費や、購入時に必要な諸経費を考慮にいれて計算されます。

より具体的な数字が計算に入るため、より現実的な利回りを算出することができます。

ただし、年間諸経費など明確に出せない場合もあるので、計算が難しいというデメリットもあります。

実質利回りはNOI利回りやFCRと呼ばれることもあるので、頭の片隅に入れておきましょう。

実質利回りの計算方法

まず、部屋数に家賃を掛け、その12ヶ月分の家賃収入から、1年間にかかる諸経費を引きます。

また、不動産購入価格と購入時にかかる諸経費を足して、それらを割ることで実質利回りを算出することができます。

実質利回り=(1年間の家賃収入ー1年間の諸経費)÷(不動産購入価格+購入時の諸経費)×100

実質利回りの具体的な例

5,000万円で購入した6部屋ある家賃6万円のアパートで、年間諸経費が100万円かかり、物件購入時の諸費用が300万円かかる場合には、下記のようになります。

実質利回り=(432万円ー100万円)÷(5,000万円+300万円)×100

6.26%=332万円÷5,300万円×100

実質利回りは、6.26%となります。

不動産の現実的な利回りを計算するヒント

不動産の利回りについて、しっかりと計算していくための3つのヒントをご紹介していきます。

不動産購入時と運用時にかかる費用を試算する

不動産を判断する時に、表面利回りを意識しすぎるのは問題です。

実質利回りをしっかりと計算して、より現実的な利益予想をすることが、投資のリスク回避に繋がります。

実質利回りの計算に入れておくべき内容について見ていきましょう。

不動産の購入時にかかる費用

不動産を購入する際には、下記の費用がかかります。

  •  仲介手数料
  •  登録免許税
  •  印紙税
  •  司法書士の報酬
  •  固定資産税
  •  都市計画税
  •  不動産取得税
  •  火災保険料、地震保険料
  •  ローンの場合(融資手数料、印紙税、保証料、団体信用生命保険料など)

不動産の運用時にかかる費用

不動産を運用する際には、下記の費用が継続的にかかります。

  •  管理費
  •  修繕積立金
  •  管理委託手数料
  •  固定資産税
  •  都市計画税

安全マージンを確保する

不動産の家賃収入から支出を引いた、マージン分をしっかりと予測しておくことが大切です。

家賃収入は安定することもあれば、減ってしまうこともあります。

支出に関しては固定費としてきまっているものがあり、それらが下がることはありません

また、不動産の築年数によっては、固定費が上がっていくこともあります。

家賃収入が減っても利益が保てるように、しっかりとシミュレーションをして安全マージンを確保できるようにしましょう。

空室の想定をしておく

不動産の運用をする上で、大切なのは余裕を持った計画をたてて、リスクに備えることです。

家賃収入が入居率によって、どう増減するのか想定するようにしましょう。

簡単に損益計算書などで複数のパターンになった場合の収支バランスを理解するというのもいいでしょう。

利回りを理解するメリット

不動産の利回りを計算する方法について見てきましたが、これらを知っておくとどんなメリットがあるのでしょうか。

利回りを理解するメリットについて解説していきます。

物件の比較

不動産の利回りについて理解していれば、物件の良し悪しがわかり、しっかりと比較することができます。

確実に利益を出せるようにすることが大切ですし、投資や運用をしていく上で指標となる数字は大事な判断基準になります。

物件情報で提示されている表面利回りは、ざっくりとした比較で利用できますが、さらに具体的に知りたい場合には実質利回りを考えなければいけません。

不動産の収益を得ていくためには、より現実的な数字を見ることが大切です。

ご紹介した計算式を使って、必要に応じて計算するようにしましょう。

将来のシミュレーション

不動産の利回りは、購入時の指標になるだけでなく、運用していく上で将来的なシミュレーションをするのにも活用できます。

不動産投資は資金の流れであるキャッシュフローが大切です。

そのキャッシュフローをシミュレーションするためにも利回りの計算が役に立ちます。

将来的な利益は、ローン返済額や税金もあわせて計算することで、予測していくことができます。

投資の比較ができる

不動産投資の他に投資先を考えている場合に、不動産の利回りを知っておくことで他の投資と比較検討することができます。

投資には一般的に利回りが指標として用いられます。

株式や信託投資などについても利回りで比較検討することで、どの投資が最適かを考えることができます。

不動産での利回りの相場

不動産の利回りについて相場を知っておくことは、物件を選ぶための指標にもなります。

ただ、相場よりも高利回りだから利益が出るとは限らないため、あくまでも目安として考えておきましょう。

東京都の相場

第40回「不動産投資家調査」(2019年4月現在)の調査結果によると、東京都のワンルームタイプの平均利回りは、城南地区が前回(2018年10月)よりも0.1ポイント低下して4.3%、城東地区は前年と同じ4.5%でした。

物件価格が高いため、平均利回りが地方に比べて低い傾向があります。

(参照:日本不動産研究所 第40回「不動産投資家調査」(2019年4月現在)の調査結果)

地方の相場

東京以外の政令指定都市では、平均利回りが広島で5.8%、札幌と仙台で5.5%、京都と神戸と福岡で5.2%、横浜で5.0%、大阪で4.9%となっています。

また、政令都市以外では、需要や人口などの影響から平均利回りがさらに高い傾向があります。

(参照:日本不動産研究所 第40回「不動産投資家調査」(2019年4月現在)の調査結果)

利回りと投資リスク

不動産の利回りは、基本的に高利回りの物件がリスクが高くなり、低利回りの物件の投資リスクは低くなる傾向にあります。

キャッシュフローを得ることが目的の場合には、高利回りの地方物件を選び多少リスクを取る必要があるでしょう。

資産保全など長期的に運用を考えている場合には、低利回りのリスクが低い投資を選びます。

不動産の投資を行う場合、高利回りと低リスクのどちらかを選択する必要があります。

不動産の利回りで注意するポイント

不動産の投資では、物件情報の表面利回りが高いから儲かるといったことにはなりません。

利回りが高い物件は魅力的ですが、リスクやデメリットが潜んでいる可能性もあるからです。

不動産の利回りが高いときにチェックしておきたいポイントについて見ていきましょう。

家賃設定

気になる物件が高利回りの場合、まず家賃の設定を確認するようにしましょう。

利回りの計算は前述したように、家賃収入をふまえて計算されます。

ただ、空室の部屋がある場合、そこは想定家賃で計算されます。

周辺の家賃相場よりも高い想定家賃が設定されている場合、利回りが高く算出されることになります。

また、入居者がいる部屋に関しても周辺の家賃相場に近いか、長期入居者はいないかなどのリサーチをするようにしましょう。

入居者が退去した後に家賃を下げる必要がある場合、利回りも実際には下がることになります。

ランニングコスト

利回りが高くても購入後にメンテナンスなどが必要になり、コストが必要以上にかかってしまうという場合、利益にならないという事態になってしまいます。

物件の状態を把握することはもちろん、エレベーターや浄化槽の有無など継続的にかかるメンテナンス費用についても確認するようにしましょう。

リスクをカバーできるか

不動産の利回りが高い場合には、リスクが潜んでいる場合がありますが、その中でも対応できるリスクと対応できないリスクがあります。

自分の努力によって、空室を埋めることができる、もっときれいにすることができるという確信が持てる物件であれば、それは対応できるリスクといえます。

その反対に、空室が埋まり満室にできる見込みがない、反社会勢力や新興宗教の入居者が多くいるという物件に関しては、対応できないリスクに当てはまるため購入は控えた方がいいでしょう。

高利回りの物件で、潜んでいるリスクをカバーできるか見極められれば、利益を大きくできる可能性もあります。

不動産利回りまとめ

不動産の利回りには表面利回りと実質利回りがありますが、運用にかかる諸経費を考慮に入れた実質利回りがより現実的な指標となります。

不動産を運用していくには、経費や税金などがかかるほか空室などのリスクがあります。

あらゆる可能性を考えて利回りの計算をしてみることで、安全で余裕を持った計画をたてることができるでしょう。

今回、利回りについて理解できたことで、不動産投資で失敗しないための知識を得ることができました。

ただし、不動産投資では利益を出すために税金や融資、リスク対策などについても正しい知識を得る必要があります。

不動産投資を成功させるには、より多くの情報が必要になります。

不動産についてわからないことは、専門家に相談したり、ウェブで検索するようにしましょう。

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